※個人・法人のお客様の特定を防ぐために、内容については少しぼやかした表現にしております。
ご依頼の経緯
「家も現金も、放っておいたら国のものになっちゃうんでしょ?」
K様が最初におっしゃったのがこの言葉でした。
相続人がいないため、何もしなければ「特別縁故者制度」や「国庫帰属」という形になります。K様としては、せっかく築いた財産を、できれば誰かの役に立ててほしいという思いが強く、遺言書の作成を考えるようになったそうです。
担当行政書士のコメント
まずはK様の現在の資産状況を丁寧にお聞きし、ご自身の意思に沿った形で財産を託す方法を一緒に考えました。
ご自宅については、「亡くなるまではずっとこの家で暮らしたい」というK様の強いご希望を尊重し、K様が亡くなった後に売却されることを前提とした相続設計をご提案。某金融機関が提供しているリバースモーゲージ型のプランについても資料を用意し、活用可能性をご説明しました。
一方、現金については、かつて交流があったという甥御さんと連絡を取ってみることをご提案しました。
数十年ぶりに連絡を取られた甥御さんからは「もしよければ、お墓のことも私が責任を持ちます」との申し出があり、K様はとても安堵された様子でした。
その後、公正証書遺言の作成に向けて財産目録を作成し、甥御さんに現金を遺贈する旨を明記。遺言執行者もK様の意思に基づいて当方で支援可能な体制を整え、公証人との調整もスムーズに行いました。
お客様メッセージ
「ずっと一人で悩んでたけど、思い切って話してよかった。自分が亡くなったあと、家のこともお金のことも、どうなるか分かって安心しました。何より、甥とまた連絡が取れて、面倒を見てくれるって言ってくれたのが本当にうれしかった。遺言書って、自分の気持ちを形にしておく手段なんですね。先生、本当にありがとうございました。」